中嶋一貴、WECスパ欠場、クラッシュで脊椎損傷

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toyota08今週末のWEC第2戦 スパ・フランコルシャン6時間レースに、トヨタ TS040ハイブリッドの1号車のドライバー中嶋一貴選手が、レースを欠場することが決定しました。

中嶋一貴選手は、WEC世界耐久選手権第2戦スパ・フランコルシャンで断続的に降り続く雨の中、公式練習第1回目が実施されましたが、ケメル・ストレートでスローダウンしていたアウディ#8号車に、中嶋一貴がドライブしていたTS040 HYBRID#1号車が接触しました。

検査のためサーキットのメディカルセンターへと運ばれた後、背部の痛みを訴えたことから、念のためヴェルヴィエ(ベルギー)のセント・エリザベスの病院でさらなる検査を受けました。

そこでCTスキャンをはじめとする精密検査を受けた結果、脊椎の一部にダメージがあることが判明。現時点も治療のため病院にチーム関係者と共に残っており、この週末、残りの走行セッションは欠場します。更なる診察の後、レース後、数日中には結果が出ると思われます。
また、一貴選手が走らせていたトヨタ TS040ハイブリッドの1号車は、当初予想されていたよりもダメージが大きく、スペアのモノコックを用いてリビルドすることが必要になりました。そのため、1号車はフリー走行2回目への参加は見送りました。

TS040 HYBRID#1号車は修復され、世界チャンピオンであるアンソニー・デビッドソン選手とセバスチャン・ブエミ選手の2名によってこの週末のレースを戦います。

TMGのディレクターを務めるロブ・ルーペン氏コメント

「衝撃はかなり大きなものだった。彼はさらなる検査を受けるため、レースに参加することができない。もっと多くのことがわかったら声明を出す。モノコックがかなりダメージを受けている。修復できるかどうか確認してみなくてはならない。スペアのモノコックを使って組み直し、明日には戻ってきたい」

一方、アウディ陣営は8号車について、FP2の間にマシンを修復できればと考えているということです。

中嶋一貴選手コメント

kazuki-nakajima最初に、レースディレクターのエデュアルド・フリータス氏と彼のサーキット・セーフティクルー、そして素晴らしい処置をしてくれたこの病院のドクターに感謝します。彼ら全員が本当のプロフェッショナルであったお蔭で、大事に至らなかったことに感謝しています。残念ながら、レントゲン写真を見る限り、私の脊椎の一部に損傷が見られました。
信じられないほどショックですが、今私に出来る事は限られています。出来る限り早く復帰出来るように集中するだけです。
アクシデントについてはあまり語れることはありません。私はストレートを走行していたのですが、突然車両の右前から水煙を浴びました。反応する時間はありませんでした。

フリー走行1回目の状況

一貴選手は、セッション開始から30分というところで、アンソニー・デイビッドソン選手からバトンタッチし、連続走行に入りました。
そして、一貴選手が乗りこんでから約30分が経過したところでアクシデントは発生しました。toyota09
一貴選手の乗る1号車トヨタが、オリバー・ジャービス選手のドライブする8号車アウディR18 e-トロン・クワトロに追突したのです。
8号車アウディはこのセッション、ロイック・デュバル選手からルーカス・ディ・グラッシ選手へとつないだ後、ジャービス選手に交代。クラッシュ時、ジャービス選手はアウトラップだったということで、まだレーシングスピードには達していませんでした。

ジャービス選手は、「オー・ルージュを上って行ったら、目の前に何台かのクルマがいた。
それに、ミラーで見たら後ろから速いクルマが来ていたから、進路を譲るためにスピードを落とした。それがマルセル(ファスラー)だったんだ」と述べています。
ファスラー選手の乗る7号車アウディは、右側からジャービス選手の8号車をパス。
この時、7号車の左側、少し後ろにいたのが一貴選手でした。

そして、ジャービス選手は、「マルセルが僕を抜いて間もなく、真後ろから大きなインパクトを受けた。一貴は僕とマルセルの巻き上げた水飛沫で何も見えなかったんだと思う」と、事故の瞬間を振り返っています。
また、TMGの関係者も、「オンボードの映像を見たら、水飛沫で全く視界ゼロだった。ぶつかる2~3メートル手前まで、一貴は前にクルマがいると分からなかったと思う」とコメントしています。

また、今回のスパ戦を欠場することも、2回目のフリープラクティス終了直後、チームから正式に発表されました。
今後に関しては、経過を見ながら新たな発表がされるということですが、傷めた場所が場所だけに、いつ本格復帰できるのか、他チームのドライバーやチーム関係者の多くが心配していました。

公式練習第3回目は5月1日(金)の午後2時(日本時間午後9時)から1時間、
LMPクラスの予選が午後6時35分(同翌午前1時35分)から25分間で実施され、
決勝レースは2日(土)午後2時半(同午後9時半)に6時間の決勝レースがスタートします。

TOYOTA GAZOO Racingそれぞれのコメント

佐藤俊男 チーム代表

satou我々全員が中嶋一貴選手の負傷について心配しています。非常に残念な状況ですが、チームは中嶋選手の一刻も早い回復を願い、日本への帰国を最優先にサポートします。先のことを話すのはまだ早過ぎ、状況と可能性の全てを分析してから判断することになるでしょう。今の我々の優先項目は中嶋選手の回復です。アクシデントのビデオを見て、彼に回避のチャンスが無かったことは明らかです。視界は水煙によって非常に悪く、中嶋選手に成すすべは無かったと思います。

アンソニー・デビッドソン選手

anthony-davidson我々には、非常に厳しい一日となってしまいました。一貴が高速でのアクシデントに見舞われたその瞬間は、彼が無事であることだけを祈っていました。我々は全員が彼とのチームであり、詳細が分かるまで、辛い時間を過ごすこととなりました。TS040 HYBRIDは、少なくとも今日のウェットコンディションを考慮すれば、良い感触で、競争力のあるラップタイムを刻めたと思います。しかし、決勝レースでは、ル・マンへ臨むにあたり、ドライコンディションで戦えることを願っています。

セバスチャン・ブエミ選手

sebastien-buemi非常に残念なアクシデントに見舞われてしまい、良い週末のスタートが切れたとは言えません。
一貴の一刻も早い復帰を願っています。あとで病院へ行き、彼と会うつもりです。
モノコックの交換のために公式練習第2回目で出走出来なかったのは残念です。
それは今日充分な周回を重ねられなかったことを意味します。もし決勝レースがドライコンディションになれば、今日のことは大きなロスにはなりませんが、これから可能な限り集中し、全力で最高の結果を得るべく挑戦します。

アレックス・ブルツ選手

alex-wurzチームにとって容易な一日ではありませんでした。勿論チーム全員が一貴のことを考えています。
決勝レースがもっと良いコンディションになることを予測して、公式練習第2回目のセッションではあまり走行しませんでした。
#1号車のアクシデントの後、我々は過大なリスクを負うことを避けました。
残りの週末、天候がどう変わるかは待たねばなりませんが、誰もドライコンディションで走っていないので、明日の短い公式練習第3回目セッションで全ての準備を行わなくてはなりません。大きなチャレンジになるでしょう。

ステファン・サラザン選手

stephane-sarrazin今日は一貴のアクシデントもあり、難しい一日でした。チームにとって、そして特に本人にとってとても残念なアクシデントでした。我々はウェットコンディションでの2回の公式練習セッションでセットアップをこなしました。
TS040 HYBRIDのバランスにはとても満足していますが、決勝レースに向けてはドライコンディションになりそうなので、期待するだけです。決勝レースは全く別の戦いになると思いますが、どうなろうと準備は出来ています。

マイク・コンウェイ選手

conway一日中雨に祟られ、時に非常に強く降るという、トリッキーなコンディションでした。
視界が悪化し、アクアプレーニングの可能性も高まるため、とても危険な状況でした。
コースの濡れ具合によるTS040 HYBRIDのバランスの変化や、その改善などについて多くを学ぶことになりました。
我々全員、一貴が一刻も早く回復することを願っており、起きてしまったことですが、とても残念です。

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