F1モナコGPの決勝/ハミルトン今季初優勝

この記事は5分で読めます

2016年第6戦モナコGP表彰式2016年F1第6戦モナコGPは前夜から続いていた雨のため、長い歴史のなかで初めて、セーフティカー先導によるスタートとなりました。路面は次第に乾き、後半はドライのレースになりましたが、多くのドライバーがアクシデントで戦列を去り、何度もバーチャル・セーフティカーが導入されました。 2016年モナコGP決勝スタート

波乱に満ちた一戦を制したのは、メルセデスのルイス・ハミルトン。2015年のタイトルを決めたアメリカGP以来、今シーズン初勝利を挙げました。昨年は、ここで手中に収めかけた勝利を逃していて、鬱憤を晴らす自身44勝目となりました。

2016年第6戦モナコGP ルイス・ハミルトン(メルセデス)レースは全車ウエットタイヤでスタート、7周目にセーフティカーが退去して戦いの幕が上がります。ポールポジションからトップを走っていたレッドブルのダニエル・リカルドは堂々と再スタートを決めて、2番手のニコ・ロズベルグとの差を開いていきます。

ロズベルグはブレーキの温度管理に苦しんでいて、明らかにハミルトンと比べてペースが悪いです。メルセデスは、16周目にハミルトンを前に出すように指示。どんどん乾いていく路面状況のなか、2番手に上がったハミルトンがリカルドを追います。

首位を行くリカルドはウエットタイヤで走り続けていましたが、23周目にピットに入ってインターミディエイトに交換します。これでハミルトンがトップに立って、ウエットタイヤのままでステイアウト。リカルドがハミルトンに追いついたとき、だいぶ路面は乾いてきていました。ハミルトンは31周目にピットに入って、ウエットからインターミディエイトを挟むことなく、ウルトラソフトへと交換。その翌周にリカルドもドライタイヤに交換するべくピットへ向かったのですが、ここで大きな落とし穴があったのです。

ピットから出るリカルドと走行中のハミルトン

ピットから出るリカルドと走行中のハミルトン

リカルドはレッドブルのピットボックスに停止しましたが、なんとタイヤが用意されていなかったのです。スーパーソフトを装着して、ピットアウトするまでに10秒以上の時間を費やしてしまい、コースへ戻った時点で、前にいたのはハミルトン。結局このピットでのロスタイムが、勝敗を決してしまいました。

その後もリカルドは果敢にハミルトンを攻めて、シケインでの接近戦ではハミルトンのブロックが審議対象となりましたが、ペナルティが出ることはなく、リカルドはコース上で逆転するしかありません。

トップを走るハミルトンにとって、懸念はウルトラソフトタイヤの耐久性でしたが、むしろ終盤はリカルドのペースが鈍り、6戦目にして、待ちに待った今季初勝利を果たしました。

かたやポイントリーダーのロズベルグは、チェッカー直前にニコ・ヒュルケンベルグに先行を許して、7位と惨敗。今回の勝利でランキング2位となったハミルトンに対して、依然24ポイントのリードがあるとはいえ、今後に不安を残す失速です。

予選でメルセデスを破ったリカルドは、前戦スペインGPに続いて“勝てたはず”のレースを落とす展開となって、いつものような笑顔は見られません。表彰式のインタビューでも「レースのことは話したくない」と答えて、不満を隠そうともしませんでした。

フェラーリのセバスチャン・ベッテルは13周目に、上位勢では先陣を切ってインターミディエイトに交換。しかし、中団グループの渋滞にはまってペースを上げられず、21周目までウエットタイヤで走っていたセルジオ・ペレスの前に出られなかったことが、表彰台を逃す“敗因”となりました。

ペレスは30周目、ベッテルは31周目に、ともにソフトタイヤへ交換。ポジションは変わらず、終盤まで3位を争うことになりましたが、ペレスがベッテルの攻撃を防ぎきって、モナコでは自身初、2015年ロシアGP以来となる表彰台へと上がりました。

マクラーレン・ホンダはフェルナンド・アロンソ5位、ジェンソン・バトン9位とダブル入賞。アロンソは「表彰台の可能性さえ見えた」と言うほどの手ごたえで、2015年ハンガリーGPと並ぶ、ホンダF1復帰後ベストタイの成績を挙げました。

2016年F1第6戦モナコGP決勝結果

ドライバーコメント

ルイス・ハミルトン(メルセデス)1位

モナコ優勝ハミルトン「44勝目を挙げるのに、これほどふさわしい場所はないんじゃないかな。モナコで勝ったのは8年ぶりなんだ!

特別な一日だ。記憶にある限り、最もきついレースのひとつだよ。ミスを一切せずに走り続けた。そしてトップに立ったなんて信じられない。このへんは毎日歩いて、ここで勝った偉大なドライバーたちに思いを馳せる。ファンジオ、モス、ヒル、そしてセナ。僕の名前がまたこのリストに加わるなんて本当に素晴らしい気分だ。

戦略上の決断において大きく貢献できるなんて、めったにないことだ。チームが最初にピットに入るよう求めてきた時、路面が乾きつつあるけど、タイヤの感触がすごくいいと思った。そのことを話したら、ステイアウトするよう指示された。それがものすごくうまくいったんだ。

タイヤに気をつけながら走り、インターミディエイトで走り始めたドライバーたちのタイムを見て、自分もペースを上げた。彼らと同レベルのタイムで走れたから、「路面が乾くまでこのままいけるな」と思った。

その時期はすごくトリッキだった。最初のふたつのセクターがほとんど乾いていたからね。スリックに換えてコースに戻ると、路面が氷のようだった。接戦だったから、かなりプッシュしなければならなかったので、きつかった。

彼(ダニエル・リカルド)のピットストップが失敗していなければ、僕は前には出られなかっただろう。でもこういうことは理由があって起こるものだ。今日僕は44勝目を挙げる運命だったんだ。」

ダニエル・リカルド(レッドブル)2位

ダニエル・リカルド(レッドブル)2位「ピットに入ったらタイヤがなかった。
レースについては何も話したくない。外から見ると、僕らはいいショーを披露したということになるんだろうけど、こんな風な形でエキサイティングな展開になるべきじゃなかった。

2戦続けてひどい目に遭った。最悪だ。辛いよ。呼ばれてピットに入った。僕が判断したわけじゃない。だからチームはちゃんと(タイヤ交換の)用意を整えておくべきだった。

ウエットでも速さがあった。序盤は後続を引き離し、インターミディエイトに交換した。その後、僕らはルイス(・ハミルトン)とレースをする状況に自分たちを追い込んだ。そんな必要はなかったのに。

どのコンディションでも僕が一番速かったと思う。でもまた(こういうことが起きたん)だ。2位は実力に見合う結果ではない。惨めな気持ちでここにいたくはない。2戦連続でこういうことが起きたんだ。

毒づかずに言うのは難しいよ。2戦連続でトレーラーにひかれたみたいな気分だよ。なんとかできる限り努力してバルセロナのことを受け入れた。でも今日のことをポジティブにとらえることはできない。こんな目に遭いたくない。惨めだよ。モナコで表彰台に立ったんだから、本当ならハッピーで感謝でいっぱいの気持ちでいるべきなんだけど。

でも何て言えばいいのか分からない。何もいいことは言えない。今朝雨が降っているのを見て、また自分の力を発揮するチャンスだと思ったんんだけどね。(ピットストップについては)彼らが僕を呼んだんだ。ぎりぎりになって入ることにしたんじゃない。」

セルジオ・ペレス(フォース・インディア)3位

セルジオ・ペレス(フォース・インディア)3位「モナコでポディウムに上がるのは、本当に特別なことだ。特に今日はコンディションがひどく難しかったことを考えると、僕の生涯のベストレースのひとつだね。

とにかく一瞬も気が抜けず、いつミスをしてもおかしくない状況だった。僕のレースのカギとなったのは戦略で、その点で今日の僕らは完璧な仕事をした。最初の難しい判断は、インターミディエイトに履き替えるタイミングの見極めだった。僕らはできるだけ交換を遅らせることにして、チームからはピットに入るタイミングは任せると言われていた。結果としてこの戦略が正解だった。チームメイトを含めて、何台かの前に出ることができたからね。」

フェルナンド・アロンソ(マクラーレン・ホンダ)5位

フェルナンド・アロンソ 決勝5位「ドライビングと集中力の面で、本当にタフなレースだった。セーフティカー先導でレースがスタートした。視界はほぼゼロだった。その後インターに履き替えたけれど、今週末このタイヤを使うのは皆、それが初めてだった。誰にとっても未知の領域だったんだ。

ドライタイヤに換えた後も、路面の乾いたラインはとても細くて、ラインから0.5センチ外れただけでクラッシュしてしまっただろう。今日はミスすることは一切許されなかった。それでも僕らはいい結果を達成した。2台揃ってポイント獲得というのは、それなりに満足すべき結果だろう。僕らはしっかり進歩し続けている。今回のリザルトは、僕らが達成してきたことを証明している。正しい方向に向かっているんだ。

まだ目指す位置にはいない。僕らが望んでいるのはトップに立って、優勝や表彰台を争うことだからね。でも今の物事の流れには満足している。一時は表彰台も可能かもしれないと考えた。ピットストップの後、残り50周の段階で5番手だったんだ。トリッキーなコンディションだったから、このまま生き残れれば可能かもしれない……少しの間だけど、そう考えた。前で2台リタイアが出たら(表彰台に上がることが)可能だと思ったんだ。一瞬、そう思ったけど、結局それは不可能だったね。」

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

関連記事

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

2015年度

スーパーGT第2戦富士 決勝レースはMOTUL AUTECH GT-Rが完勝! フォーミュラE 開幕戦 決勝/セバスチャン・ブエミ圧勝 WEC第2戦スパ決勝は7号車アウディが2連勝 「グランツーリスモ6」が“アイルトン・セナ・トリビュート”を無料公開 F1バーレーンGP決勝レース ハミルトンがポール・トゥ・ウィン! インディカー第3戦 決勝はシボレー勢の圧勝 フォーミュラE 第6戦 ネルソン・ピケJr.が優勝 フォーミュラE 第7戦 モナコ決勝/ブエミ ポール・トゥ・ウイン インディ第5戦決勝レース/ウィル・パワーがポールtoウイン F1スペインGP 決勝/ニコ・ロズベルグが今季初ポール・トゥ・ウィン WTCCニュル決勝レースはシトロエンが連勝 ニュル24時間/僅差でアウディ連覇 フォーミュラE第8戦ベルリン/ルーカス・ディ・グラッシが今季2勝目 スーパーフォーミュラ岡山/石浦宏明ポールトゥウィン F1モナコGP 決勝レース/ニコ・ロズベルク優勝 インディ500/モントーヤ選手が15年振りの勝利 世界ラリークロス第4戦/ソルベルグが今季2勝目 インディカー第7戦デトロイト決勝/ムニョス選手が初勝利 ユーロカップ・フォーミュラ・ルノー2.0/笹原右京、初優勝! 佐藤琢磨今季初表彰台/インディカー第8戦デトロイト決勝 フォーミュラEモスクワ決勝/ピケJr.完勝 F1カナダGP決勝/ハミルトン逆襲のポール・トゥ・ウィン WTCCロシア、ホンダのモンテイロが2年振りの勝利 ル・マン24時間レース/ポルシェ勢圧勝1・2フィニッシュ インディ第10戦トロント決勝/ニューガーデン今季2勝目 スーパーGTタイ決勝/GT500クラスS Road MOLA GT-Rが昨年の雪辱V F1 オーストリアGP 決勝/またもやメルセデス1・2フィニッシュ フォーミュラE第10戦決勝/ブエミがポール・トゥ・ウイン インディ第11戦フォンタナ決勝/グラハム・レイホール優勝 フォーミュラEロンドン決勝/サム・バード優勝ピケJr.初代王者 F1イギリスGP 決勝/ハミルトン逆転母国V インディカー第12戦決勝レース/セバスチャン・ブルデー優勝 スーパーフォーミュラ富士 決勝レース/オリベイラ優勝 一貴2位 インディカー第13戦 アイオワ決勝/ハンター-レイが今季初優勝 F1ハンガリーGP決勝/ベッテルが今季2勝目ビアンキに捧ぐ インディカー第14戦オハイオ 決勝/レイホール地元で今季2勝目 スーパーGT富士決勝/D'station ADVAN GT-R大逆転 F1ベルギーGP決勝/メルセデス1-2フィニッシュ インディ ポコノ戦決勝/ハンター-レイ勝利 スーパーフォーミュラもてぎ決勝/石浦ポール・トゥ・ウイン スーパーGT鈴鹿1000km決勝/PETRONASが今季初V WECニュル/ポルシェ圧勝ウェーバー初優勝 インディ最終戦決勝/ディクソンが逆転で王者獲得 F1イタリアGPの決勝/ルイス独走V、ベッテル2位、ロズベルク出火 スーパーフォーミュラ オートポリス/中嶋一貴初勝利 WEC第5戦オースティン決勝/ポルシェ919が2連勝 スーパーGT SUGO/GT500 大波乱でRAYBRIG NSXが今季初勝利 F1 シンガポールGP決勝/跳ね馬ベッテルがポール・トゥ・ウイン F1日本GP決勝/メルセデス1・2フィニッシュ WEC第6戦富士決勝/ポルシェの逆転で1-2獲得 F1ロシアGP決勝/ルイス・ハミルトン圧勝 スーパーフォーミュラ第6戦SUGO/ロッテラーがポール・トゥ・ウイン F1アメリカGP 決勝/ルイス・ハミルトン今季10勝目 スーパーGTオートポリス決勝/GT500クラスはMOTUL AUTECH GT-Rの勝利 スーパーGTオートポリス決勝/GT300クラスはB-MAX NDDP GT-Rの勝利 F1第メキシコGP決勝/ロズベルグポール・トゥ・ウインで完勝 WEC上海決勝/ポルシェ4連勝 フォーミュラEプトラジャヤePrix決勝/ディ・グラッシ優勝 スーパーGT もてぎ決勝/GT500はKeePer TOM'S RC Fがポール・トゥ・ウイン スーパーGT もてぎ決勝/GT300はTOYOTA PRIUS apr GTがポール・トゥ・ウイン F1第ブラジルGP決勝/ロズベルグ ポール・トゥ・ウイン WEC最終戦バーレーン決勝/18号車ポルシェ優勝 F1最終戦アブダビGP決勝/ロズベルグがポール・トゥ・ウイン

カテゴリー

アーカイブ